→ 前のページに戻る

大衆演劇用語集


た行


・代貸(だいがし)

貸元の代理人。


・大臣柱(だいじんばしら)

舞台前面の両端の柱。大臣ともいう。


・高足(たかあし)

山台の高さを表す語。高さ2尺8寸。


・立ち木(たちき)

大道具。松、柳、桜、竹、大木等がある。街道や海なら松、街中なら柳、山中なら大木と使い分ける。


・立回り(たちまわり)

殺陣のこと。立廻りとも。


・立役(たちやく)

善人の男役。大概は主人公。


・達引き(たてひき)

①意地を張り合う事。義理を立てあう事。

②遊女が客の遊興費をたてかえる事。


・店(たな)

字のとおり店のこと。大店(おおだな)といえば繁盛している大きな店。


・店賃(たなちん)

長屋などの家賃。


・煙草盆(たばこぼん)

煙管を用いる時の喫煙セット。刻み煙草入れ、火入れ、灰吹きなどをまとめた箱。


・髱(たぼ)

若い女性のこと。


・太夫元(たゆうもと)

劇団総責任者。経営的な業務を行う。座長が兼ねることも多い。


・反(たん)

面積の単位。「度量衡」参照。


・着到(ちゃくとう)

やる劇団は少ないが、開演30分前、あるいは1時間前の掛け声。掛け声と同時に鳴らす鳴り物も指す。鳴り物は太鼓、笛、柝だが、柝以外はテープを流して済ませることが多い。


・町(ちょう)

面積の単位。「度量衡」参照。


・付(つけ)

足音、物音などをより強調するために、舞台上手あるいは上手袖で、拍子木2本でもって床に置いた板を打ちつけること。歌舞伎くさい濃い芝居の時のみ行う。付拍子ともいう。


・坪(つぼ)

面積の単位。「度量衡」参照。


・連(つらね)

抑揚を付けた長台詞。


・手打ち(てうち)

大入りの際、芝居後のショウの途中、あるいは終りに行う。基本的には、舞台上に座長、座員一同が揃い、お客さんと共に、柝に合わせての三本締めだが、明日の分もと四本締めにしたり、ダブルの大入りだからと六本締めにしたりと、劇団によって多少の差異がある。


・豊島蓙(てしまござ)

摂津の豊島産の蓙。蓙と同義。


・手文庫(てぶんこ)

手近に置いて文具や手紙などを入れておく木箱。


・寺銭(てらせん)

賭場において場所代として出来高から貸元に支払う金。


・天中(てんちゅう)

照明。真上から役者を照らす灯体。死に際では赤、昔語りでは金茶と色を替える。いずれの場合でも天中を用いる時、舞台は暗転、あるいは暗めの青となる。


・斗(と)

容積の単位。「度量衡」参照。


・東西(とうざい)

口上挨拶の際、幕開けの掛け声。「とざい、とーざい」。元の意味は「東のお客様から西のお客様まで、ご清聴お願いいたします」といったあたりであるらしい。


・東西幕(とうざいまく)

袖幕でもなお見切れてしまう袖中を隠す為に、袖幕の奥に、袖幕に垂直に吊る黒幕。


・同心(どうしん)

岡引き、目明を束ね、与力の元で庶務、警察を司る。


・燈籠(とうろう)

大道具。庭燈籠、石燈籠、宮燈籠などを使い分ける。船着き場の常夜燈代わりにも用いたりもする。


・遠見(とおみ)

背景パネル、あるいは背景幕のうち遠方の景色を描いた物を指す。主に幕を使う。種類としては、山中を描いた山遠見、海、海辺を描いた波遠見、雪景色を描いた雪遠見、桜園を描いた桜遠見、神社の境内を描いた宮遠見、田園風景を描いた野面、等がある。


・時(とき)

0:00=九つ=子の刻

2:00=八つ=丑の刻

4:00=七つ=寅の刻

6:00=明け六つ=卯の刻

8:00=五つ=辰の刻

10:00=四つ=巳の刻

12:00=九つ=午の刻

14:00=八つ=未の刻

16:00=七つ=申の刻

18:00=暮れ六つ=酉の刻

20:00=五つ=戌の刻

22:00=四つ=亥の刻

町では毎刻に鐘が鳴り、明け六つで町の門を開け、暮れ六つで閉めていたようだ。


・常足(とこあし)

山台の高さを表す語。高さ1尺4寸。


・土場(どば)

賭場のこと。


・留め柝(とめぎ)

緞帳あるいは、定式幕の開ききりに打つ。前者ではきざみの最後の柝、となる。この柝で芝居が始まる。板付きの役者がいたとしても、照明がつくのはこの柝からである。


・度量衡(どりょうこう)

長さの単位

1里=2160間≒3927m

1間=6尺≒181.8cm

1尺=10寸≒30.3cm

1寸=10分≒3.03cm

1分≒0.3cm

面積の単位

1町=10反≒9917㎡

1反=300坪≒992㎡

1坪=1平方間≒3.3㎡

容積の単位

1斗=10升≒18.039リットル

1升=10合≒1.8リットル

1合≒0.18リットル

重さの単位

1貫=1000匁≒3750g

1斤=160匁≒600g

1匁≒3.75g


・緞帳(どんちょう)

舞台最前の厚地織物の垂れ幕。開けば開演、閉まれば休憩、終演。


ページの一部を、「旧 三吉演芸場HP」より引用
ページの一部を、「三吉演芸場だより」に特別寄稿された大衆演劇評論家、橋本正樹さんの文章より引用
当サイトの内容を使用して発生した損害等は一切責任を負いません。